現場指導を約20年、管理約20年という愛媛県椎茸のエキスパート。生産者と密に接してきた期間が長いからこそ、その想いと情熱は並大抵のものではない。

いわゆる形の整った「見た目の美しいもの=安心・安全・美味しい」に直結するのだろうか。人間でもそう。絶世の美女と言われる人が皆面白い人間味を持っているかと言われると、一概にそうではないというのは周知の事実。必ずしも容姿と中身はイコールではないというのが、昨今の考え方の主流になりつつある。
そんな個性的な魅力を持っているのが、愛媛県産原木椎茸の特徴なのだ。海岸線に主な産地を有する愛媛県では、ハウスなどを用いずに自然環境で生産をするからこそ、冬場に半月ほどかけてじっくりと育っていく間に北風などをダイレクトに受けることになる。すると、乾燥させた時点で風の当たったところは締まって縮んでしまうため、ほんの少しいびつな形になってしまうのだ。通常それらは「変形」と選別されてしまうが、実はその形こそが美味しさと安全性の証。均一な形にしたいのならばハウス栽培をすれば良いものを、あえて過酷な自然環境で育てるのは、見た目ではなく美味しさにこだわるから。そのいびつな形こそが愛媛産原木椎茸のプライドなのだ。変形を心配する人に「まぁ食べてみてください」と松本参与は言うという。実際に食した人たちは皆、自然とリピーターになるというから、その美味しさは確かなものだ。そしてその美味しさを守っているのが、40年以上の歴史を誇る愛媛県森林組合連合会による共同選別制度なのである。